ウンチから、腸内環境がわかる!

大鵬薬品

便秘とは、「腐ったものを腸内に溜めた状態」

便秘は腸内細菌に悪影響

便秘は、いけないことですか。
便秘は、腸内にうんちが長期間溜まった状態ですから、私達の腸内細菌に悪い影響を与えます。うんちがエサとなって、クロストリジウムなどの悪玉菌が増殖します。そして発ガン物質、発ガン促進物質、アンモニア、硫化水素などの有害物質や、おならの元となるガスを発生させます。だから便秘の時のうんちは、臭いのです。そして便秘が続くと、それらの有害物質はどんどん腸壁から吸収されて、血液中をめぐります。肌荒れや様々な病気にもつながると考えられています。
何日以上、排便がないと「便秘」なのでしょう。
女性には「3日以上排便がなければ便秘と考える」人が多いのですが、これは勘違いです。良好な腸内環境であれば、排便は1日1回。食べたものの消化・排便までの時間は24時間が目安ですから。一般的なうんちの水分量は80%ですが、大腸に長時間とどまっているうんちからは、水分がどんどん吸収されていくので70%以下になり、硬くなってしまいます。硬くなると余計に腸内で動きにくくなり、どんどん溜まる・・・と悪循環に陥ってしまいます。
だから1日1回の排便を目指すべきなのですね。
まずは食物繊維をよく摂ること。食物繊維は、善玉菌のエサになるし、水分を吸収してスムーズに外に運ばれるうんちを作ってくれます。そして生きたビフィズス菌や乳酸菌の入っているヨーグルトや乳酸菌飲料を摂ること。腸内細菌は十人十色ですから、いろいろなヨーグルトを試して自分に合うものを見つけると良いです。そして、ウォーキングなどでうんちを「出す」筋肉をつけてください。
「食べないダイエット」はダメだとか。
食べないと、うんちの材料が不足して便秘になりがちです。すると悪玉菌が有害物質を発生させ、血液中をめぐると、身体はそれを排除しようと働きますから、本来の働きであるエネルギー代謝が落ちて、痩せにくい身体になっていくという報告があるのです。ダイエットをしているつもりが、不健康になって、おまけに痩せにくい体質を作ってしまうのだとしたら、元も子もありません。
食べないダイエットは、悪循環を起こす可能性がある
ページ上部へ

あなたの便秘はどのタイプでしょう

便秘には4種類あるそうですね。
主に4つのパターンがあります。便秘に悩む人は、自分のパターンを把握して、原因を取り除くように取り組んでいくと良いでしょう。
ダイエット系の便秘食事を減らして食物繊維が不足してしまい、うんちの材料が少ないため便秘になる。
弛緩性便秘大腸の筋力が低下して便を肛門方向へと押し出す腸管運動が弱い。運動不足の人や高齢者に多い。便意があってトイレに行くものの、すっきり出た感じがしないタイプ。
直腸性便秘生活習慣がもとで直腸(大腸のうち、肛門に最も近い部分)部分の働きが鈍く、排泄に必要な運動が弱い。朝に便意あっても時間がないからといって我慢したり、外出先では恥ずかしくてできない人がなりやすい。
けいれん性便秘ストレスが原因で腸の働きに異常が起きる。自律神経が乱されて腸管運動が強くなり過ぎ、腸のところどころがくびれて便が押しだせない。便秘と下痢を繰り返すこともある。
次の記事:うんちは、カラダからの大事なお“便”り
ページ上部へ

どっさり1Kg以上もの菌?「腸内細菌」って何ですか

やってみよう腸年齢チェックテスト

便秘とは、「腐ったものを腸内に溜めた状態」

うんちは、カラダからの大事なお“便”り

辨野義己(べんの・よしみ)先生 - プロフィール:(独)理化学研究所イノベーション推進センター辨野特別研究室・特別招聘研究員。東京大学農学博士。酪農学園大学獣医学科卒、東京農工大学大学院を経て、2004年から理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室長、2009年から現職。40年以上にわたって腸内細菌学・微生物分類学の研究に取り組んでいる。テレビ出演多く、著書も『腸内環境学のすすめ』(岩波書店)、『健腸生活のススメ』(日本経済出版社)など多数。

扁鵲

TOPページへ