大鵬薬品岡山工場 ビオトープ

大鵬薬品岡山工場は、「愛情1本」でお馴染みの「チオビタ・ドリンクシリーズ」を製造している工場です。<br />敷地内に、工場排水として発生する洗浄水と冷却水を利用した全国でも珍しい100%排水直管式ビオトープを設置しています。

岡山工場で1日に100トン使われる水

岡山工場

大鵬薬品岡山工場は、瀬戸内海に面した備前市久々井湾を目の前に臨む自然豊かな場所にあります。岡山工場では、廃棄物のリサイクルや省エネなどとともに、周辺の美しい自然環境に配慮したさまざまな環境活動を行ってきました。

岡山工場では、主に「チオビタドリンクシリーズ」を製造しています。チオビタ・ドリンクで使うガラスびんの洗浄・滅菌には、徹底した品質管理のもと、洗浄水(精製水)と冷却水が使われています。ここで使われる水の量は1日に約100トン、そのすべてがこれまでは市の下水処理場へと送られ、捨てられていました。

きれいな水を捨てなければならない理由

ビオトープの説明

捨てられていた洗浄水(精製水)と冷却水(水道水と同等以上の水質)は、どちらもとてもきれいな水です。なぜ、きれいな水を下水へ捨てなければならないのでしょうか。
その理由は、あまりにも純度が高すぎることにあります。川の源流では生息する魚が少ないように、純度の高い水を直接川や海に流すのは自然環境に好ましくありません。また、最高到達温度が40度と温かくなるため、この点でもそのままでは流せません。きれいすぎる水を無駄に捨てるのではなく、環境に悪影響を与えずに再利用できないかと考えたのが、ビオトープの設置を思いついたきっかけでした。

ビオトープの役割

もともと水は雨が降った後、森や地面をくぐり、有機(プランクトン)に富んだ状態になって川から海へ流れるものです。そこで、捨てていたきれいな水を下水管ではなく自然を再現した人工水路に流すことで、生物がすみやすい自然の状態に近い水に変え、同時に外気温まで水温を下げて海へと放出できないかと考えました。きれいすぎる水を自然の川の水に近い状態に変える仕組み、それが岡山工場のビオトープの役割なのです。

海へとつながるビオトープ

岡山工場の緑地スペースにつくられたビオトープは総面積2300m²、全長約300m。落葉中高木や低木が植えられ、里山をイメージしたビオトープの中心となるのは、長さ約230mの人工の小川です。水深は子どもが落ちても大丈夫なように30~60cmです。人口の排水を自然の小川に近い水にするために、せせらぎや渕、中洲などのさまざまな仕掛けを設け、魚や小動物、植物が育ちやすい環境をつくっています。また、水辺にエサを求め、トンボやチョウなどの昆虫、野鳥も飛来します。自然と同じ有機に富んだ水は海へと放出され、干潟の動植物の増加につながるなど、地域の自然にも良い影響を与えています。大鵬薬品岡山工場ビオトープには、豊かな自然の再生と地域の自然を大切に思う大鵬薬品の願いが込められています。

地域全体の生態系再生につながるビオトープ

緑の少ない開設当初のビオトープ。
わずか1年間で多くの動植物が生息する自然環境がつくられた

「なぜ、きれいな水を下水道に流さなければいけないのか」、その疑問からビオトープの発想が生まれました。一般的な考え方として“水を汚して出す”という発想がなかったため、実現するにはさまざまなハードルがありました。工場排水の利用としては初めての試みだと思いますし、誰もやっていなかったことなので参考資料もありませんでした。

できたばかりの頃は何もいなかった人工の川に、今ではヌマエビ、サワガニ、タニシなど、さまざまな生物が自然に繁殖しています。プランクトンや好気性のバクテリアが発生する100トンの水が、毎日24時間放水され続けることで、周囲の干潟や海にも変化が表れました。希少なシオマネキ(カニ)やハママツナ(植物)が増えるなど、地域の自然環境にも効果が出はじめています。

またこのビオトープは、地元の久々井のみなさんが設置に賛成し、さまざまな面で協力してくれています。工場の周囲は、ビオトープを見ながらの散歩コースとして親しまれているほか、ホタルの繁殖や、河川や干潟の清掃など、地元の方々と一緒になった自然活動を行っています。

今では、多くの方々がビオトープを見学に来られるようになりました。この大鵬薬品岡山工場の試みが、瀬戸内海の豊かな自然を知っていただく機会となり、地域の美しい自然環境を再生する活動につながっていくことを願っています。

大鵬薬品工業 総務部 岡山総務課
課長 藤下 利彰

見学会

見学会の開催

ビオトープには園路や芝生広場もあり、 チオビタ・ドリンクの製造工程とともに見学できるようになっています。地元岡山県の小学生やさまざまな団体をはじめ、他県からも多くの人が訪れるようになりました。
水辺を歩きながら小さないきものたちの生活にふれ、生命の尊さ、自然保護の大切さについて考える機会をもってみませんか?

大鵬薬品岡山工場ビオトープの概要

総面積2,300m²
全 長300m
開 設2011年3月29日
連絡先大鵬薬品工業岡山工場
Tel: 0869-64-4527
所在地〒705-8555 備前市久々井字沖1775-1
工場見学平日のみ 13:00~15:00
(所要時間1時間、10人以上・予約制)
※見学日の2週間前までにお電話にてお申し込みください。
料 金無料
駐車場あり

アクセス

岡山駅よりJR赤穂線「播州赤穂方面」38分
伊部駅下車
駅からタクシーで約10分
※タクシーご利用の場合は、「大鵬薬品まで」とお伝えください。

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