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開発の経緯 

悪性腫瘍に対する癌化学療法時に高い頻度で発現する悪心、嘔吐は癌化学療法を受ける患者にとって、大きな苦痛を感じる副作用のひとつであり、患者のQOLに影響を与え、さらに治療の継続に影響を及ぼす場合がある。
癌化学療法によって誘発される悪心、嘔吐の発現時期は癌化学療法開始後24時間以内に発現する『急性悪心、嘔吐』、24時間以降に発現する『遅発性悪心、嘔吐』、患者が癌化学療法を受けることを意識した際に発現する『予測性悪心、嘔吐』等に分類され、その発現頻度は抗悪性腫瘍剤の種類、投与量、投与経路等により異なる。

現在、抗悪性腫瘍剤投与後に生ずる悪心、嘔吐の発現には種々のメカニズムが考えられているが、その中でも5-HT3受容体は重要な関わりを果たしており、本邦においても優れた5-HT3受容体拮抗剤が臨床応用されている。

今回、大鵬薬品工業株式会社はスイスのヘルシン社にて開発され、ヒト血漿中消失半減期が約40時間と非常に長く、基礎的検討により5-HT3受容体に対して高い結合親和性及び選択性を有する5-HT3受容体拮抗剤パロノセトロン塩酸塩(アロキシ静注0.75mg)の本邦への導入を目的として、2005年4月より臨床第Ⅱ相試験を開始した。その結果、海外臨床試験の結果と同様に本剤の特徴である『急性及び遅発性悪心、嘔吐』に対する制吐効果が示唆され、2006年7月より実施されたグラニセトロン塩酸塩を対照薬とした多施設共同無作為化並行群間比較試験によりその有用性が確認された。
本剤は抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)を適応症として、2010年1月にアロキシ静注0.75mg(バイアル製剤5mL)、2012年8月にアロキシ点滴静注バッグ0.75mg(バッグ製剤50mL)の承認を取得した。

※アロキシ静注0.75mgの臨床用量は海外承認用量の3倍量である。