ティーエスワンによる膵・術後補助化学療法を受けられる方へ

よくあるご質問

ティーエスワンを飲むときに飲みあわせに注意する薬はありますか?

ティーエスワンには、一緒に使用すると副作用が増強したりする薬(飲み薬)があります。

これらの薬もあなたの病気の治療に必要と判断されて処方されることがあります。ご自身の判断でやめてしまうのではなく、現在、このような薬を使用している場合には担当の医師・薬剤師に忘れずに伝えてください。

作用症状
ワルファリンカリウム
(血液を固まりにくくする薬)
ワルファリンカリウムの作用を強めます。 皮下出血、歯肉(しにく)出血など、出血しやすくなります。
フェニトイン
(てんかんの薬)
フェニトインの作用を強めます。 吐き気、眼振(がんしん)(自分の意志とは関係なく眼球が動くこと)、など運動障害が発現することがあります。
ロンサーフ
(抗がん剤)
ロンサーフの作用を強める可能性があります。 重篤な骨髄抑制などの副作用が発現するおそれがあります。
  • トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤
ティーエスワンの服用中に日常生活で気をつけることはありますか?

他の薬やサプリメントを利用する前には担当の医師または薬剤師、看護師に相談しましょう。

市販薬、サプリメント、健康食品、民間療法は、薬の副作用を強めたり、効果を弱めたりする場合があります。

ティーエスワンはどのように保管すればよいですか?

決してあなた以外の人がまちがえて飲むことのないように気をつけてください。

  • 小さいお子さんがいる場合には決してお子さんの手の届かないところに保管してください。
  • OD錠はピーチ風味でお菓子と間違えやすいため、お子さんの誤飲に注意してください。
  • 直射日光、高温、湿気をさけ、室温で保管してください。

退院後にとくに注意することは何ですか?

退院後に発生することがある合併症には、注意が必要です。

手術後時間が経過してから発生することがある合併症は、イレウス(腸閉塞)、糖尿病または低血糖、下痢・栄養障害、胃(十二指腸)吻合部潰瘍(ふんごうぶかいよう)(出血、食物の通過障害)、胆管炎などの感染症などです。
気になる症状がある場合には、ティーエスワンの服用はいったんやめ、すぐに担当の医師に相談してください。

手術後はどれくらいの期間通院しなければなりませんか?

がんの進み具合など、患者さんによって異なります。手術後の通院の目的は、おもに5つあります。

  1. 術後補助化学療法(初めの半年間)
  2. 膵がん再発のチェック
  3. 残った膵臓の機能の程度をチェック
  4. 晩期合併症(退院後に発生することがある合併症;膵がん切除後の合併症参照)のチェックとその対策
  5. 栄養状態のチェック

詳しくは手術後のフォローアップをご参照ください。

【通院期間】
膵がんは切除可能なものでも早期に再発しやすいがんのため、定期的な検査によってチェックをします。少なくとも術後5年間は定期的な通院が必要です。
また、通院は、日頃の悩みや不安を解決する絶好の機会です。検査を受けると同時に、気になる症状や日常生活で困っていることなどを担当の医師に相談しましょう。

【通院間隔】
どれくらいの間隔で通院するかは、患者さんの状態によって異なります。とくに手術後に抗がん剤治療を受けているときは、抗がん剤による副作用をチェックするために比較的短い間隔で通院し、検査を受ける必要があります(ティーエスワンを服用する期間は通常手術後半年までです)。