調達

サプライヤーの皆さまとともに取り組むサステナブル調達

大鵬薬品は大塚グループとして、バリューチェーン全体で法令遵守や安全・安心、社会に配慮した事業活動に取り組んでいます。ビジネスパートナーとの取引開始に際しては、原材料の品質の確保と安定調達を確立するための調査・確認を行い、事前に取引基本契約を締結しています。新規サプライヤーの場合は、事前にデューデリジェンスを行ったうえで、取引を決定しています。また、公平・公正で透明性を持った調達と良好な関係構築による相互の持続的発展を目指し、人権・労働・環境・腐敗防止等を考慮したグループ横断の「大塚グループ調達方針」を策定し、ビジネスパートナーとも共有しています。さらに、調達方針の内容をより具現化した「大塚グループサステナブル調達ガイドライン」も策定・運用を行っており、ビジネスパートナーを対象にした説明会を開催しています。
また、製品の安定供給のため、主要原材料については事前にリスクアセスメントを行い、想定されるリスクを明確化し対策を講じているほか、複数社購買を原則としています。
そのほか、環境に配慮した検討も実施しております。コンシューマーヘルスケア部門と連携し、環境に配慮した包装材料に関する提案を行っています。

推進体制

2020年に大塚ホールディングスおよびグループ事業会社5社※1のメンバーで構成される「大塚サステナブル調達タスクフォース」が発足され、大鵬薬品はこの活動に参画し大塚グループ調達方針と大塚グループサステナブル調達ガイドラインの制定並びに「国連グローバル・コンパクト (UNGC)が定める共通SAQを用いたサプライヤーへのアンケート調査を実施しました。その後、2022年に同タスクフォースの活動をより拡大し、深化させて大塚グループ全体のサステナブル調達のさらなる強化を図るために、「大塚サステナブル調達強化プロジェクト」が発足されました。このプロジェクトでは大鵬薬品を含む大塚グループ事業会社により責任ある調達(調達活動を通して環境や人権などに関する社会問題の解決に努める取り組み)※2と品質(Q)・価格(C)・納期(D)の最適化を通して安定的な調達体制を構築する取り組み(安定調達)※1の2つの取組を実施することによりサステナブル調達を推進しています。大鵬薬品では「責任ある調達」を効果的に実行するために、2025年に社内プロジェクトを発足し、サプライヤーのサステナビリティへの取組の調査と評価、評価結果に応じて改善に繋がる参考情報の提供を開始しています。
※1 大鵬薬品、大塚製薬、大塚製薬工場、大塚化学、大塚食品
※2 大鵬薬品、大塚製薬、大塚製薬工場、大塚化学、大塚食品、イーエヌ大塚製薬、大塚包装、大塚テクノ、大塚倉庫、大塚メディカルデバイス、JIMRO、岡山大鵬薬品

具体的な取り組み

サステナブル調達の浸透とトレーニング

調達部門において、人権や環境などに配慮したサステナブル調達に関する教育を実施し「大塚グループ 調達方針」および「大塚グループサステナブル調達ガイドライン」の浸透を図っています。

サプライヤー向けサステナブル調達説明会の実施

大塚グループ全体でサプライヤーへサステナブル調達説明会を実施しています。説明会では「大塚グループ 調達方針」「大塚グループサステナブル調達ガイドライン」の説明を行い、遵守をお願いするとともに、人権、労働、環境や贈収賄、汚職等についての最新の情報をともに学ぶ研修を実施し、大塚グループの取り組みの事例紹介も行っています。大塚グループのサステナブル調達の趣旨に賛同いただいたサプライヤーからは同意を取得し、持続可能な調達に向けてのビジネスパートナーとして協働することを確認しています。

サプライヤーへのサステナビリティ調査と実態の把握

大塚グループではサステナビリティ評価と実態を把握するツールとして、以前は国連グローバル・コンパクト作製の「CSR調達セルフ・アセスメント質問表」(GCNJ共通SAQ)を利用していましたが、2025年からは大塚サステナブル調達強化プロジェクトで作製した独自の質問票(大塚グループサステナブル調達セルフ・アセスメント質問票(※大塚SAQ))を用いています。加えて、外部評価機関EcoVadisの受審をされているサプライヤーにはスコアカードを開示いただき、外部評価結果を参照することで取組状況を把握しています。また、評価結果をサプライヤーに通知し、改善への取組に有用な情報提供を行っています。
※GCNJ共通SAQおよび大塚SAQは、国連グローバル・コンパクトの10原則をはじめ、ISO26000やGRIなどの国際規格との整合性に配慮して作成されています。

参考:サステナビリティ調査件数
全てのサプライヤー191社※について、サステナビリティ評価と実態を把握する。ただし、重要製品の原材料のサプライヤーを優先するものとする。

2025年:62社
2026年:42社
2027年:87社

※2025年1月現在の数値(今後、製品構成により変動する可能性あり)
※一部、大塚グループの事業会社で評価

安定調達リスク調査の実施

大鵬薬品では、サプライヤーのサプライチェーンリスクを知るため、独自に「サステナブル調達に関する質問票」を作成し、全サプライヤーに対して回答を依頼しています。また、一部のサプライヤーに対しては、回答結果に対する個別のインタビューを実施しています。これらを通じてサプライヤー製造所のハザード対策および事業継続計画の策定状況、また、上流原料について購買先複数化の状況を確認しています。その結果、収集された情報を元に、自社製品の安定供給リスクの低減に努めています。

パートナーシップ構築宣言

大鵬薬品は、内閣府や中小企業庁などが推進する「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の趣旨に賛同し「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。サプライチェーンに関わる取引先や価値創造を図る事業者の皆さまとの連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップの構築を目指します。

グループ横断でサステナブル調達を推進
サステナブル調達に関するグループ会議では、サプライチェーンの調達メンバーとともに、UNGCの4分野に配慮した調達活動を推進しています。未来に向けて人々の健康に貢献し続けるためにも原材料の安定調達と製品の安定供給を維持すべく、調達部門として今すべきことは何かを常に考え、課題を解決するためにメンバーと密に議論を重ねながら三方よしになる取り組みを心がけております。サステナブル調達活動において、サプライヤーの皆さまにはご理解とご協力をいただき、これらは良好な関係構築の一助にもなっており、心より感謝しております。