大鵬薬品グローバルコードに基づき、患者さん、医療関係者、取引先などすべてのステークホルダーと信頼関係に基づく適切な連携に努めています。国内の医療用医薬品販売においては、「医療用医薬品の販売情報提供活動ガイドライン」に基づく自社規程を策定するとともに自社から独立した第三者を含む審査・監督委員会を設置しています。製薬会社と医療関係者との関わり方の透明性を明らかにする社会的責任が問われているなか、倫理的かつ患者さんの立場に立った適切な医療に貢献するよう規程を遵守することで、製薬会社としての責務を果たすように努めています。また、医療用医薬品の製品情報資材の作成にあたり、薬機法の広告規制や製薬協策定の自主基準を遵守します。さらに、公開前に製品情報資材の適切性を審査する体制を整えています。
医師をはじめとする医療関係者に、医薬品の使用方法や安全性などに関する情報の提供や収集を行う役割は医薬情報担当者(MR:Medical Representative)が担っています。大鵬薬品では、「薬づくりは人を育てるところから」という「人財」育成の基本方針を掲げ、新入社員導入研修、MR認定試験対策に始まり、現場に配属された後も必要とされるスキル(技能)の研修をMR・学術担当者に対して、継続的に実施しています。また、がん領域に特化した独自の社内MR認定制度を運用しており、がんに関する専門知識の習得のみならず、コミュニケーションスキルの向上を目指した研修を通して、医療現場で高い信頼を得られる人財の育成に努めています。
新人社員導入研修の様子
大鵬薬品のコンシューマーヘルスケア事業では生活者の皆さまの声を大切にし、いただいたお問い合わせやご意見を関連部署にフィードバックし、商品の開発・改善に反映しています。商品のマーケティング、販促企画、宣伝広告に関しては、OTC医薬品等の適正広告ガイドラインや各種法令法規などを基準に、各案件を適切に審査・評価しています。また、商品のパッケージやラベリング表示に関しては、表示物作成手順書に基づいて作成されています。
この実行性を担保するために、法令法規や社内ルールに則った適切な業務遂行を監督する専門部署を設けて、コンプライアンスや景品表示法などの法令法規に関する勉強会を定期的に実施しています。
医薬品医療機器法など各国の法令法規を遵守するとともに、製造販売においてGQP※1 やGVP※2 に基づく品質管理、製造販売後の安全管理を行い、規制当局への報告や各種文書の整備・改訂を行っています。また、医療機関に対して適正使用を推進し、副作用などの発生状況も常に監視し、医療機関向けの資料を作成・提供して安全対策を図っています。また、医薬品の安全性確保は全社員の責務であるという考えに基づき、全社員を対象に副作用を含む製品の安全性情報を絶えず収集・評価する安全性監視(PV※3)に関する教育を毎年実施しています。
※1 GQP(Good Quality Practice):医薬品、医薬部外品、化粧品および医療機器の品質管理の基準。 市販後の医薬品の品質確保について規定した省令。
※2 GVP(Good Vigilance Practice):医薬品、医薬部外品、化粧品および医療機器の製造販売後安全管理の基準。
※3 PV(Pharmacovigilance、ファーマコヴィジランス):医薬品安全性監視。医薬品の有害事象の情報などを収集するだけではなく、集積・評価された情報を副作用の予防につなげる。
大鵬薬品は大塚グループの一員として、お客さまとの相互コミュニケーションの充実、お客さまの声への真摯な対応が、さらなる製品・商品価値の向上ひいては人びとの健康、社会・地域に貢献していくものと認識しています。2018年に「消費者志向自主宣言」を行い、その取り組み姿勢を明確に表明しました。
事例紹介
医療用医薬品事業においては、抗がん剤の PTP(press through pack)シートにチャイルドレジスタント機能を付与するためのシールを作成し、必要に応じて医療機関に貼付していただき、抗がん剤の分包とアルミ袋を子どもの手の届かないところに保管するよう注意喚起するためのピクトグラム(絵文字)を採用し、小児の誤飲防止対策に取り組んでいます。
CHC事業においては、「チオビタ」シリーズの個装ケースと外装段ボールの切り口の鋭さを軽減し、開封時の手切れ防止仕様を採用しました。