ニュースリリース

2006年12月06日
大鵬薬品工業株式会社

胃がん手術症例を対象としたTS-1臨床試験に関するお知らせ【2】

Stage II, III胃がん治癒切除後のTS-1投与により、死亡のリスクが32%減少

胃がんの手術症例1,059例を対象とした臨床試験(ACTS-GC)の結果に関して、米国フロリダ州オーランドで2007年1月19日から21日まで開催される消化器癌シンポジウム(アメリカ臨床腫瘍学会(ASCO)などが共催)において、口演発表されることになりました。

ASCOと大鵬薬品工業との協議の結果、本試験結果をできるだけ早く患者さんへ公開すべきであるという結論に達しました。ASCOのウエブ・サイト(www.ASCO.org)にも発表要旨が近く公開される予定です。その内容は以下のとおりです。

「米国においては胃がん治癒手術後の放射線化学療法が有効とされていますが、日本で行われている標準的な胃がん手術(D2リンパ節郭清)が行われた場合には、手術後の補助療法の有効性は明らかではありませんでした。

本試験は、全国100以上の医療機関が参加し、StageII、IIIの胃がんを治癒切除された患者さんを対象として、手術のみの群と手術後TS-1を1年間服用(体表面積に従い80-120mg/日を4週間投与、2週間休薬を繰り返す)する群に無作為に割り付けて全生存期間などを比較したもので、第三者機関の効果・安全性評価委員会は中間解析結果においてTS-1投与の有効性が認められたため、一斉の追跡調査を実施した後に解析結果を公表するよう勧告しました。

一斉追跡調査後の解析結果では、TS-1投与群で死亡リスクが32%減少することが認められ(ハザード比0.68, 95%信頼区間: 0.52-0.87, p=0.0024)、手術後3年の生存率は、手術単独群(530例)で70.1%、TS-1投与群(529例)で80.5%でした。また、TS-1による有害事象(グレード3以上)は低頻度(食欲不振の6%が最大)であり、今後StageII、IIIの胃がんを治癒切除された患者さんに対して、TS-1の投与は標準的な治療法となることが考えられます。

ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日現在の情報です。

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