ニュースリリース

2008年03月25日
大鵬薬品工業株式会社

TS-1+シスプラチン併用療法とTS-1単独療法の比較試験(SPIRITS試験)の研究成果がThe Lancet Oncologyに掲載されました。
-進行胃癌治療の新しい標準治療として期待されます-

日本国内で実施された切除不能・再発胃癌症例305例を対象としたTS-1+シスプラチン併用療法とTS-1単独療法の第III相試験 (SPIRITS試験)の研究成果が、今回、癌研究領域の主要雑誌である英国医学誌 The Lancet Oncologyに掲載されました。SPIRITS試験は、TS-1+シスプラチン併用療法の有用性を現在進行胃癌の標準療法とされているTS-1単独療法と比較検証することを目的に実施されました。その結果、TS-1+シスプラチン併用療法はTS-1単独療法と比較して生存期間、無増悪生存期間とも有意な延長が認められ、癌治療に従事されている医師および治療を受けられる患者さんに胃癌治療の新しい選択枝を示すものとなりました。

SPIRITS試験結果の概要

試験名 進行胃癌に対するファーストライン治療としてのTS-1+シスプラチン併用療法とTS-1単独療法の第III相試験:SPIRITS試験
背景 進行胃癌に対するTS-1単独の第II相試験では44-54%という高い奏効率が得られ、TS-1+シスプラチン併用の第I/II相試験では、奏効率76%、生存期間中央値383日および良好な忍容性が報告されている。以上から本試験ではTS-1単独療法に比べTS-1+シスプラチン併用の全生存期間が優れているか否かを検証するために実施された。
方法 2002年3月26日~2004年11月30日の間に日本国内の38施設から305例が登録され、TS-1単独療法またはTS-1+シスプラチン併用療法に割り付けられた。主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は無増悪生存期間、奏効率、安全性として試験が実施された。
結果 305例中298例が評価可能であった(TS-1単独群150例, TS-1+シスプラチン群148例)。観察期間中央値34.7ヵ月における生存期間中央値はTS-1単独群で11ヵ月、TS-1+シスプラチン併用群で13ヵ月(p=0.04)、無増悪生存期間中央値は単独群4.0ヵ月、併用群6.0ヵ月(p < 0.0001)で、ともにTS-1+シスプラチン併用群がTS-1単独群に比べ有意に優れる結果であった。また、1年生存率は単独群46.7%、併用群54.1%、2年生存率は15.3%、23.6%であった。また、測定可能病変を有する症例における奏効率は、単独群31%、併用群54%であった(p=0.002)。一方、グレード3、4の有害事象は単独群より併用群で多く認められたが、治療に関連する死亡は両群ともに認められなかった。
結論 TS-1+シスプラチン併用療法は進行胃癌に対するファーストラインにおける標準治療の一つとして位置付けられた。

Koizumi W, Narahara H, Hara T, et al. S-1 plus cisplatin versus S-1 alone for the first-line treatment of advanced gastric cancer (SPIRITS trial): a phase III trial. Lancet Oncology. 2008; 9:215-221

TS-1

ティーエスワンはこの5-FUのプロドラッグであるテガフール(FT)に2つのモジュレーター、ギメラシル(CDHP)とオテラシルカリウム(Oxo)を配合することにより、5-FUの効果を高め、副作用を軽減することを目的として開発された経口抗悪性腫瘍剤である。

現在、日本国内では胃癌、結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌、膵癌ならびに胆道癌の適応症で使用されている。海外での開発状況は、欧州、米国、アジアなど各国で臨床試験が進行中である。

胃癌

世界中で毎年934,000人以上が新たに胃癌に罹患し、その罹患率は癌の中でも第4位である。また,毎年700,000人以上が胃癌によって死亡しており、その死亡率は世界第2位である。

日本においては、毎年100,000人以上が新たに胃癌に罹患し、約50,000人が胃癌によって死亡していることからその罹患率ならびに死亡率は全癌腫の中でそれぞれ第1位と第2位となっている。なお、米国においては約22,800人,ヨーロッパにおいては143,000人以上の方々が毎年新たに胃癌に罹患している。

The Lancet Oncology

英国医学誌の2006年のImpact factorは10.12であり、がん研究領域における主要な医学雑誌の一つである。

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