ニュースリリース

2011年01月26日
大鵬薬品工業株式会社

進行膵癌を対象としたTS-1臨床試験(GEST)の結果について

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京、社長:宇佐美 通)は進行膵癌症例を対象としたTS-1臨床試験(GEST*)の結果についてお知らせ致します。


本試験の目的は、進行膵癌の標準治療薬とされるゲムシタビン単剤による治療に対しTS-1単剤による治療の有効性が同等であること、及びゲムシタビン単剤に対して、TS-1とゲムシタビンを併用する治療法がより優れていることを検証することでした。
その結果、TS-1単剤による治療が、標準治療であるゲムシタビン単剤による治療と同等であることが証明され、安全性においても良好な結果が得られました。一方、TS-1とゲムシタビンを併用する治療法は、ゲムシタビン単剤よりも生存期間において優れていることを統計学的に証明することはできませんでした。
本試験により、経口フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍薬であるTS-1が、膵癌治療における標準治療の選択肢の一つに加わることが期待されます。

本試験結果の詳細は2011年に開催される医学会で発表される予定です。今後、大鵬薬品は試験データのさらなる検討を進め、膵癌領域における治療法の開発を進めてまいります。

【ティーエスワンについて】
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤であるティーエスワンは、吸収後、抗がん剤フルオロウラシル(5-FU)に変換される代謝拮抗物質のテガフール、体内で5-FUの分解を阻害するギメラシル(5-chloro-2,4-dihydroxypyridine,またはCDHP)、消化管で5-FUのリン酸化を阻害するオテラシル(Oxo)3化合物の配合剤です。胃癌の治療薬として開発され、1999年に国内で最初に承認されて以来、胃癌の標準治療薬となっています。日本においては、他に結腸・直腸癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌、手術不能又は再発乳癌、膵癌および胆道癌の6つの追加効能を取得しています。海外では、韓国、中国、シンガポールと台湾で胃癌の適応で承認されており、今日まで、ティーエスワンは日本とアジアで870,000人以上の患者さんに使用されています。

【GEST試験について】
本試験は日本と台湾の共同試験であり、80以上の医療機関が参加し行われました。対象は切除不能進行再発膵癌の患者さんで、ゲムシタビン単独で治療する群と、経口抗がん剤であるTS-1単独で治療する群、TS-1とゲムシタビンを併用して治療する群の3つの群に割り付けて比較したものです。評価項目は全生存期間、無増悪生存期間および安全性等としております。ゲムシタビン単独で治療する群は、1,000mg/m2のゲムシタビンを1日目、8日目および15日目に点滴静注し、22日目は休薬する28日を1コースとしたスケジュールでした。TS-1単独で治療する群は体表面積に合わせて規定された投与量(80mg、100mg、120mg/日)を1日2回、28日間連続経口投与し、その後14日間休薬する42日を1コースとしたスケジュールでした。また、TS-1とゲムシタビンを併用する治療群は1,000mg/m2のゲムシタビンを1日目と8日目に点滴静注し、TS-1は体表面積に合わせて規定された投与量(60mg、80mg、100mg/日)を1日2回、14日間連続経口投与し、その後7日間休薬する21日を1コースとしたスケジュールでした。いずれの治療群も規定された中止の基準に該当するまで治療薬投与が繰り返されました。

* GEST:Gemcitabine and TS-1 Trial

ニュースリリースに記載されている内容は、報道発表日現在の情報です。