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2025年05月23日
大鵬薬品工業株式会社
Taiho Oncology, Inc.
Cullinan Therapeutics, Inc.

Cullinan Therapeutics、大鵬薬品、大鵬オンコロジー、
ジパレルチニブのREZILIENT1試験第IIb 相の結果をASCO2025で発表

大鵬薬品工業株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)とその子会社 Taiho Oncology, Inc.(本社:米国ニュージャージー州、President & CEO:Timothy Whitten、以下「大鵬オンコロジー」)および提携先の Cullinan Therapeutics, Inc.(カリナン・セラピューティックス、本社:米国マサチューセッツ州、President and Chief Executive Officer:Nadim Ahmed、以下「Cullinan Therapeutics」)は、本日、前治療歴を有する上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異(ex20ins)を伴う進行性または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象としたジパレルチニブ単剤療法の第I/II相臨床試験「REZILIENT1試験」のピボタル第IIbコホートにおける新たな結果が得られたことを発表しました。これらのデータは、2025年6月1日(日)に米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、「Lung Cancer – Non-Small Cell Metastatic」セッションで口頭発表(CDT午前9時00分~9時12分、抄録番号#8503)します。

Memorial Sloan Kettering Cancer Centerの胸部腫瘍内科医兼早期医薬品開発専門家のHelena A. Yu, MDは「EGFR エクソン 20 挿入変異を伴うNSCLC患者さんは、持続的な臨床的利益をもたらす、安全性に優れた標的療法を早急に必要としています。肺がんの中でも重症な患者さんの一部に対し、意義ある選択肢を提供しうるプログラムが存在することは、大変心強いことです。REZILIENT1試験の結果は、前治療後病勢が悪化した患者さんに対し、ジパレルチニブが新たな経口治療の選択肢になり得ることを示しています。」と、述べています。

有効性結果の概要

REZILIENT1試験に登録された患者さんのうち、2024年12月のデータカットオフ時点でジパレルチニブ100 mgを少なくとも1回投与された患者さんは244例でした。全体の有効性解析対象集団(n=176)は、ジパレルチニブ100 mgを少なくとも1回投与され、データカットオフ時点で約8カ月の最小追跡期間を満たしたすべての患者さんとしました。患者さんは中央値で2つの前治療を受けており、39%の患者さんに脳転移の既往歴がありました。

中央値9.3カ月の追跡期間において、ジパレルチニブは次のような結果を示しました:

  • 全体の有効性解析対象集団(n=176)において、確認された全奏効率(ORR)は35%で、奏効期間の中央値(mDOR)は8.8カ月でした。
  • プラチナ系化学療法治療歴のみを有する患者さん(n=125)において、ORRは40%でmDORは8.8カ月であり、REZILIENT1の 第I/ IIa相の結果1)と一貫性がありました。
  • 化学療法とアミバンタマブ治療歴を有する(他のEGFR エクソン 20 挿入変異に対する標的療法は併用しない)患者さん(n=30)では、ORRは30%でmDORは14.7カ月でした 。
  • 化学療法とアミバンタマブ治療歴を有する(他のEGFR エクソン 20 挿入変異に対する標的療法の有無を問わない)患者さん(n=51)において、ORRは24%でmDORは8.5カ月でした。
  • 脳転移を有する患者さん(n=68)において、ORRは31%でmDORは8.3カ月でした。

安全性および忍容性結果の概要

安全性解析対象集団には、REZILIENT1試験においてジパレルチニブ100 mgを少なくとも1回投与されたすべての患者さん(n=244)が含まれました。ジパレルチニブは、前治療を受けた患者集団においてコントロール可能な安全性プロファイルを示し、既報のデータと一貫性がありました。治療関連有害事象(TRAE、全グレード)で最も頻度が高かったのは、爪周囲炎(38.5%)、発疹(30.3%)、ざ瘡様皮膚炎と乾燥肌(各24.6%)、下痢(21.7%)、口内炎(20.1%)でした。TRAEのほとんどはグレード1または2でした。
グレード3以上のTRAEで最も頻度が高かったのは、貧血(7%)、肺臓炎と発疹(各2.5%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加、下痢、および血小板数減少(各2.0%)でした。

REZILIENT1試験について

REZILIENT1(Researching Zipalertinib In EGFR Non-Small Cell Lung Cancer Tumors)試験は、EGFRエクソン20挿入変異を有する進行性または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者さんで、前治療歴のある患者さんを対象に、ジパレルチニブの有効性と安全性を評価する第I/II相臨床試験(NCT04036682)です。患者さんは、経口ジパレルチニブ100mgを1日2回投与されました。主要評価項目は、RECIST v1.1に従い、盲検化された独立中央審査(ICR)により評価された全奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)でした。有害事象は、有害事象共通用語基準(CTCAE v5.0)に従って分類され、グレード付けされました。

ジパレルチニブについて

ジパレルチニブ(開発コード:CLN-081/TAS6417)は、EGFRの活性化変異を標的とした経口の低分子化合物です。この化合物は、野生型 EGFR には作用せず、エクソン 20 挿入変異を有する EGFR 変異体を阻害する化合物として選出され、遺伝子検査によって選定された非小細胞肺がんに対する次世代型の不可逆的な EGFR 阻害剤として創薬されました。ジパレルチニブは、米国 FDA よりブレークスルーセラピー指定を受けています。また、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けています。ジパレルチニブは現在開発中で、いかなる保健当局からも承認されていません。
ジパレルチニブは大鵬薬品およびその子会社の大鵬オンコロジーが開発しています。米国においては Cullinan Therapeutics と提携し開発を進めています。

EGFRエクソン20挿入変異について

世界では、非小細胞肺がんのうち EGFR エクソン 20 挿入変異は最大 4%に発現し、EGFR 変 異型の中で三番目に頻度高く発現するとされています 2)。米国においては、非小細胞肺がん における EGFR 変異は約 16%に発現し、EGFR エクソン 20 挿入変異は EGFR 変異全体の 12% と報告されています 2)

Cullinan Therapeutics について

Cullinan Therapeutics (Nasdaq:CGEM)は、がん患者さんのために新しい標準治療の創造に取り組むバイオ医薬品企業です。同社は、自己免疫疾患とがんにおいて、疾患の主要因子の 抑制または免疫を活用し疾患細胞を除去する、臨床開発段階にあるアセットの多様なポート フォリオを戦略的に構築してきました。同社のポートフォリオは幅広くモダリティを網羅し、それぞれがベスト・イン・クラス、ファースト・イン・クラスになる可能性を秘めています。さまざまな 自己免疫疾患とがんへの革新的な治療薬を開発するため、がん、免疫とトランスレーショナ ル医療に関する深い知識を軸に、差別化されたアイデアを生み出し、適切なターゲットを特定 し、最適なモダリティを選択しています。Cullinan Therapeutics は最も有望な化合物のみを臨 床へ、そして最終的には商業化へと迅速に進めるために、各開発ステージでの厳格な go/no-go 基準を適用し、候補化合物の選定から差別化された治療薬となるまでの従来の限 界を押し広げています。深い科学的専門知識を持つ同社のチームは、患者さんに新しい治療 法を提供するという約束を果たすため、創造性と迅速性を発揮してまいります。Cullinan Therapeutics の詳細は https://cullinantherapeutics.com/ をご覧ください。

大鵬薬品について

大鵬薬品は、大塚ホールディングス株式会社の事業会社で「私たちは人びとの健康を高め 満ち足りた笑顔あふれる 社会づくりに貢献します。」を企業理念とし、「がん」、「免疫・アレル ギー」の2領域に注力する研究開発型のスペシャリティファーマです。特にがん領域において は、国内におけるリーディングカンパニーの一つとして知られており、グローバル化も積極的 に推進しています。がん領域以外におきましても生活の質の向上に貢献できる製品を販売し ています。また、コンシューマーヘルスケア事業でも生活者志向を第一に愛情豊かな暮らしを 支える商品作りに注力しています。大鵬薬品の詳細については、https://www.taiho.co.jp をご 参照ください。

大鵬オンコロジーについて

大鵬オンコロジーのミッションは、がん患者さん、そのご家族そして介護者の生活を改善することです。同社はさまざまながん種に対する経口抗がん剤の開発と販売に注力しています。
大鵬オンコロジーは固形がんおよび血液がんをターゲットとする低分子の臨床候補化合物の強固なパイプラインを持ち、さらに前臨床段階においても候補化合物も有しています。大鵬オンコロジーは、大塚ホールディングスの一員である大鵬薬品の子会社です。米国ニュージャージー州プリンストンに本社を置き、大鵬薬品のヨーロッパ(スイス連邦、ツーク州)とカナダ(オンタリオ州オークビル)における事業運営を統括しています。
大鵬オンコロジーの詳細については、 https://www.taihooncology.com/us をご参照ください。

  1. Piotrowska Z, Tan DS, Smit EF, et al. Safety, tolerability, and antitumor activity of zipalertinib among patients with non-small-cell lung cancer harboring epidermal growth factor receptor exon 20 insertions. Journal of Clinical Oncology. Available at: https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.23.00152. Last accessed: May 2025.
    1. Burnett H, Emich H, Carroll C, et al. Epidemiological and clinical burden of EGFR exon 20 insertion in advanced non-small cell lung cancer: a systematic literature review. PLOS ONE. 2021;16(3):e0247620. Available at: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0247620. Last accessed: May 2025.

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