- 2025年06月04日
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大鵬薬品工業株式会社
SyntheticGestalt株式会社
大鵬薬品とSyntheticGestalt 生成AIを活用したシステイノミクス創薬の基盤拡充に向け技術検証を開始
大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)とSyntheticGestalt株式会社(本社:東京都新宿区、代表:島田幸輝、以下「SyntheticGestalt」)は、大鵬薬品独自の創薬基盤技術であるシステイノミクス創薬のさらなる拡充と進化を目指し、SyntheticGestaltが持つ世界最大の分子基盤AIモデルの活用に向けた技術検証に関する契約を締結したことをお知らせいたします。
SyntheticGestaltは、100億件という膨大な化合物情報を学習データとして活用した革新的な基盤AIモデル(SG4D10B※)を開発しました。この基盤AIモデルは、分子の複雑な立体構造を大量に学習することで、新規化合物に対する分子プロファイルの予測精度を向上させます。本モデルを各社の所有するライブラリーで追加学習・推論対象とすることで、各社独自の探索基盤を容易に構築することが可能です。
※SG4D10Bとは:SyntheticGestaltが開発した世界最大の分子特化型基盤AIモデル。従来の分子AI技術の課題である予測精度と汎化性能の低さを解決し、製薬企業や化学メーカーなどが保有する小規模データからでも高精度なモデル開発が実現可能。開発期間の大幅短縮と研究コスト削減により、新薬や新素材開発の効率化に貢献できる。当モデルは経済産業省及び国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施しているGENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)事業による支援を受けて開発された。
大鵬薬品が確立した創薬基盤であるシステイノミクス創薬は、自社独自の共有結合型化合物ライブラリーを核とし、日米欧で承認取得済みの医薬品、また現在臨床段階にある複数の開発品を創出した実績を有しています。同創薬基盤の強みを進化させ競争優位性を高めるため、システイン以外のアミノ酸を標的とする共有結合型薬剤の創製を含め、システイノミクス創薬の適用範囲の拡充に取り組んでいます。
SyntheticGestalt CTOの神谷幸太郎は「当社の持つ立体構造や電荷を含有する4D探索技術を共有結合型薬剤のライブラリーに活用することにより、革新的な共有結合型薬剤の発見に寄与できます」と述べています。
大鵬薬品の取締役 開発・MA 部門管掌、研究部門担当の相良武は「SyntheticGestalt独自の生成AI基盤をシステイノミクス創薬基盤に組み込むことで、これまで創薬が困難とされていた標的に対して、共有結合型薬剤を見いだす成功確率を高めたいと考えています。私たちは、引き続きシステイノミクス創薬を活用した革新的新薬の創出を推進し、がん患者さんのペイシャントジャーニー全体を支えるがん治療薬を継続的に創製してまいります」と述べています。
システイノミクス創薬について
システイノミクス創薬は、システインを有する多様な標的タンパク質に対して共有結合型薬剤※を連続的に生み出すための大鵬薬品独自の創薬技術です。システイノミクス創薬基盤は、標的タンパク質データベース、共有結合型化合物ライブラリー、各種化合物評価システムなどから構成され、これまでに複数のパイプラインを創製した実績があります。
※共有結合型薬剤とは:標的タンパク質と共有結合を形成してその機能を不可逆的に制御する医薬品。タンパク質のポケットに結合する部分 (リガンド) と特定のアミノ酸に共有結合する部分(反応基)から構成されている。
SyntheticGestalt株式会社について
SyntheticGestaltは、分子情報に特化したAI技術を開発する企業です。2024年と2025年には、世界最大の分子特化型基盤モデルをNVIDIA GTC(世界最大級のAIカンファレンス)で発表しました。従来の分子関連AIが抱えていた精度の課題を、SyntheticGestaltの分子特化型基盤モデルが解決します。医薬品、化粧品、農薬、新素材など幅広い分野でのAI活用を目指し、AIによる新たな発明を実現することを使命としています。
大鵬薬品工業株式会社について
大鵬薬品は、大塚ホールディングス株式会社の事業会社で「私たちは人びとの健康を高め、満ち足りた笑顔あふれる 社会づくりに貢献します。」を企業理念とし、「がん」、「免疫・アレルギー」の2領域に注力する研究開発型のスペシャリティファーマです。特にがん領域においては、国内におけるリーディングカンパニーの一つとして知られており、グローバル化も積極的に推進しています。がん領域以外におきましても生活の質の向上に貢献できる製品を販売しています。また、コンシューマーヘルスケア事業でも生活者志向を第一に愛情豊かな暮らしを支える商品作りに注力しています。大鵬薬品の詳細については、https://www.taiho.co.jp をご参照ください。
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