- 2025年11月21日
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Taiho Oncology, Inc.
大鵬薬品工業株式会社
Cullinan Therapeutics, Inc.
大鵬オンコロジー、大鵬薬品、Cullinan Therapeutics EGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がんに対するジパレルチニブのFDAへの新薬承認申請のローリングサブミッションを開始
大鵬薬品工業株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」) とその子会社 Taiho Oncology, Inc.(本社:米国ニュージャージー州、President & CEO:Timothy Whitten、以下「大鵬オンコロジー」) および提携先の Cullinan Therapeutics, Inc.(カリナン・セラピューティックス、本社:米国マサチューセッツ州、President and Chief Executive Officer:Nadim Ahmed、以下「Cullinan Therapeutics」) は、経口の上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤ジパレルチニブについて、プラチナベース化学療法の治療歴を有するEGFRエクソン20挿入変異を伴う局所進行または転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんを対象に米国食品医薬品局(FDA)へ、加速承認を求める新薬承認申請(NDA)のローリングサブミッションを開始したことをお知らせします。
ジパレルチニブは2021年にブレークスルーセラピー指定を受けており、FDAの合意をもって、申請書類を完成した部分から順次提出することが認められています。三者は、優先審査の要求とあわせて本NDAの提出完了を2026年第1四半期に見込んでいます。
本NDAは、前治療歴を有するEGFRエクソン20挿入変異を伴う非小細胞がん患者さんに対するジパレルチニブ(開発コード:CLN-081/TAS6417)単剤の第I/II相臨床試験であるREZILIENT1試験の主要な有効性データに基づいています。
REZILIENT1試験の結果は、2025年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で発表され、同時にJournal of Clinical Oncologyにも掲載されました。
REZILIENT1について
REZILIENT1(Researching Zipalertinib In EGFR Non-Small Cell Lung Cancer Tumors)試験は、前治療歴のある、EGFRエクソン20挿入変異を有する局所進行または転移性非小細胞肺がんの成人患者さんを対象に、ジパレルチニブの有効性と安全性を評価する第I/II相臨床試験(NCT04036682)です。患者さんはジパレルチニブ100mgを1日2回経口投与されました。主要評価項目は、固形がんの治療効果判定基準(RECIST) v1.1に従い、盲検化された独立中央審査(ICR)により評価された客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DOR)でした。有害事象は、米国NCI(国立がん研究所)有害事象共通用語規準(CTCAE v5.0)に従って分類され、グレード付けされました。
ジパレルチニブについて
ジパレルチニブ(開発コード:CLN-081/TAS6417)は、EGFRの活性化変異を標的とした経口の低分子化合物です。この化合物は、野生型 EGFR には作用せず、エクソン 20 挿入変異を有する EGFR 変異体を阻害する化合物として選出され、遺伝子検査によって選定された非小細胞肺がんに対する次世代型の不可逆的な EGFR 阻害剤として創薬されました。ジパレルチニブは、米国 FDA よりブレークスルーセラピー指定を受けています。また、厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けています。ジパレルチニブは現在開発中で、いかなる保健当局からも承認されていません。
ジパレルチニブは大鵬薬品およびその子会社の大鵬オンコロジーが開発しています。米国においては Cullinan Therapeutics と提携し開発を進めています。
EGFRエクソン20挿入変異について
非小細胞肺がんは、肺がんのなかでも一般的な型であり、世界では、非小細胞肺がんのうちEGFRエクソン20挿入変異は最大4%に発現し、EGFR変異型の中で三番目に頻度高く発現するとされています1)。米国においては、非小細胞肺がん患者さんの約16%にEGFR変異は発現し2)、EGFR エクソン20挿入変異はこれらEGFR変異全体の最大12%とされています1)。
大鵬オンコロジーについて
大鵬オンコロジーのミッションは、がん患者さん、そのご家族そして介護者の生活を改善することです。同社はさまざまながん種に対する経口抗がん剤の開発と販売に注力しています。大鵬オンコロジーは固形がんおよび血液がんをターゲットとする低分子の臨床候補化合物の強固なパイプラインを持ち、さらに前臨床段階においても候補化合物を有しています。大鵬オンコロジーは、大塚ホールディングスの一員である大鵬薬品の子会社です。米国ニュージャージー州プリンストンに本社を置き、大鵬薬品のヨーロッパ(スイス連邦、ツーク州)とカナダ(オンタリオ州オークビル)における事業運営を統括しています。大鵬オンコロジーの詳細については、https://www.taihooncology.com/us をご参照ください。
大鵬薬品について
大鵬薬品は、大塚ホールディングス株式会社の事業会社で「私たちは人びとの健康を高め 満ち足りた笑顔あふれる 社会づくりに貢献します。」を企業理念とし、「がん」、「免疫・アレルギー」の2領域に注力する研究開発型のスペシャリティファーマです。特にがん領域においては、国内におけるリーディングカンパニーの一つとして知られており、グローバル化も積極的に推進しています。がん領域以外におきましても生活の質の向上に貢献できる製品を販売しています。また、コンシューマーヘルスケア事業でも生活者志向を第一に愛情豊かな暮らしを支える商品作りに注力しています。大鵬薬品の詳細については、https://www.taiho.co.jpをご参照ください。
Cullinan Therapeuticsについて
Cullinan Therapeutics (Nasdaq: CGEM) は、自己免疫疾患やがんに対して、ファーストインクラスまたはベストインクラスとなり得る高いインパクトを持つ治療薬の開発に取り組むバイオ医薬品企業です。同社は、オンコロジー領域では既に確立され、現在は自己免疫疾患にも応用が進んでいるT細胞エンゲージャーに関する中核となる専門知識を活用し、有望な治療ターゲットの探求を続けています。科学的根拠に基づく厳格なアプローチと、目的を持ったイノベーションのもと構築された臨床段階のパイプラインを強みに、Cullinan Therapeuticsは患者さんに新たな標準治療を届けるという使命の達成に向けて事業を推進しています。Cullinan Therapeutics の詳細は https://cullinantherapeutics.com/ をご覧ください。
- Burnett H, Emich H, Carroll C, et al. Epidemiological and clinical burden of EGFR exon 20 insertion in advanced non-small cell lung cancer: a systematic literature review. PLOS ONE. 2021;16(3):e0247620. Available at: https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0247620. Last accessed: November 2025.
- Riess JW, Gandara DR, Frampton GM, et al. Diverse EGFR Exon 20 Insertions and Co-Occurring Molecular Alterations Identified by Comprehensive Genomic Profiling of NSCLC. Journal of Thoracic Oncology. 2018 Jul 5;13(10):1560–1568. Available at: https://www.jto.org/article/S1556-0864(18)30770-6/pdf. Last accessed: November 2025
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