- 2026年04月21日
- 大鵬薬品工業株式会社
非小細胞肺がんに対する抗TIGIT抗体domvanalimabと抗PD-1抗体zimberelimab併用の第III相STAR-121試験について
大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)は、Arcus Biosciences, Inc. (アーカス・バイオサイエンシズ、本社:米国カリフォルニア州、Chief Executive Officer:Terry Rosen、以下「Arcus社」)およびGilead Sciences, Inc. (ギリアド・サイエンシズ、本社:米国カリフォルニア州、Chairman and Chief Executive Officer:Daniel O’Day、以下「Gilead社」)と実施している転移性非小細胞肺がんの1次治療として、抗TIGIT抗体domvanalimab (開発コード:AB154)+抗PD-1抗体zimberelimab (開発コード:AB122)+化学療法併用群と、ペムブロリズマブ+化学療法併用群を比較評価する第III相STAR-121試験について、有効性が認められなかったことによる中止をお知らせします。
この決定は、事前に予定された無益性解析のデータに基づく、独立データモニタリング委員会(以下「IDMC」)の勧告に基づくものです。なお、本無益性解析では安全性の評価は行われていませんが、IDMCによる定期的なレビューにおいて新たな安全性上の懸念は確認されていません。
STAR-121試験に参加いただいている患者さんへの今後の適切な対応については、治験責任医師との協議を進めます。
domvanalimabおよびzimberelimabは開発中の化合物です。これらの化合物の併用療法は世界のいずれの規制当局からも、またいかなる用途についても承認を取得しておらず、安全性および有効性は確立されていません。
非小細胞肺がんについて
肺がんは、新規診断数、がん関連死亡数ともに最も多いがん腫で、世界における罹患数は年間約250万人、死亡数は約180万人と報告されています1。肺がんには、小細胞肺がん(SCLC)と非小細胞肺がん(以下「NSCLC」)があり、後者が肺がん診断全体の約85%を占めます2。NSCLCの組織型の分布は性別や地域などの因子によって異なり、米国では腺がん(45%)および扁平上皮がん(25%)のサブタイプがNSCLC症例の中で最も大きな割合を占めます3。
STAR-121試験について
STAR-121試験は、EGFR遺伝子変異陰性、ALK融合遺伝子陰性およびその他のドライバー遺伝子変異陰性の転移性NSCLCの1次治療を対象とした①domvanalimab + zimberelimab +化学療法併用群②ペムブロリズマブ+化学療法併用群③zimberelimab +化学療法併用群の3群で構成される無作為化オープンラベル国際共同第III相試験です。本試験における主要評価項目はPD-L1発現陽性例(腫瘍細胞の1%以上)および無作為化された全症例を対象とした全生存期間(OS)です。
https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05502237
STAR-121試験:A Randomized, Open-Label, Phase 3 Study to Evaluate Zimberelimab and Domvanalimab in Combination With Chemotherapy Versus Pembrolizumab With Chemotherapy for the First-Line Treatment of Patients With Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer With No Epidermal Growth Factor Receptor or Anaplastic Lymphoma Kinase Genomic Tumor Aberrations
domvanalimabについて
domvanalimabは、免疫細胞上のチェックポイント受容体TIGIT(T-cell immunoreceptor with Ig and ITIM domains)に結合し、免疫抑制シグナルを阻害するよう設計されたFcサイレント型モノクローナル抗体です。Fcサイレント設計により末梢の制御性T細胞を減少させることなく、TIGIT結合を阻害することで抑制性シグナルを解除し、免疫細胞の活性化を促進し、抗腫瘍免疫応答の増強が期待されています。
抗腫瘍活性においてそれぞれ異なる補完的な役割を果たすチェックポイント受容体であるTIGITとprogrammed cell death protein-1(PD-1)の同時阻害は、免疫細胞の活性を増強すると考えられています。
zimberelimabについて
zimberelimabは、PD-1に結合し、T細胞の抗腫瘍活性を回復させることを目的とした抗PD-1モノクローナル抗体です。zimberelimabは、世界各国で複数の臨床試験が進行中です。
大鵬薬品とArcus社の契約について
2017年に大鵬薬品とArcus社が締結したオプションとライセンスに関する契約に基づき、大鵬薬品は日本とアジア(中国と一部地域を除く)において、今まで5プログラム*を独占的に開発・販売する権利を得ました。
*etrumadenant (アデノシン受容体阻害剤)(2018年)、zimberelimab (抗PD-1抗体)(2019年)、domvanalimab (抗TIGIT抗体)(2021年)、quemliclustat (CD73阻害剤)(2024年)、casdatifan (HIF-2α阻害剤)(2025年)
Arcus社について
Arcus社は、がん、炎症性疾患、自己免疫疾患の患者さんのための差別化された分子薬や併用療法の臨床開発を進めているグローバルなバイオ製薬企業です。世界中の業界パートナー、患者さん、医師とのパートナーシップのもと、Arcus社は、明確な特徴を持つ生物学や経路に対するファーストもしくはベストインクラスの医薬品の開発を促進し、がん患者さんがより長く生きることが可能になるような、生物学に基づく新たな併用療法を研究しています。2015年に設立された同社は、これまでに、淡明細胞腎臓がんを対象としたHIF-2α阻害剤casdatifan、膵臓がんを対象とした低分子CD73阻害剤quemliclustatなど複数の治験薬を臨床試験へと進めています。Arcus社の臨床および前臨床プログラムの詳細については、www.arcusbio.com をご覧ください。
1. World Health Organization (WHO). Cancer today: Data Visualization tools for exploring the global cancer burden in 2024. Available at: https://gco.iarc.fr/today/home Accessed: April 2026.
2. Cheng TY, Cramb SM, Baade PD, Youlden DR, Nwogu C, Reid ME. The International Epidemiology of Lung Cancer: Latest Trends, Disparities, and Tumor Characteristics J Thorac Oncol 2016;11 (10):1653-71.
3. Houston KA, Henley SJ, Li J, White MC, Richards TB. Patterns in lung cancer incidence rates and trends by histologic type in the United States, 2004-2009. Lung Cancer 2014;86 (1):22-8.
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