ニュースリリース

2023年05月18日
大鵬薬品工業株式会社

大鵬薬品、米国のArcus Biosciences、Gilead Sciencesと共同開発契約を締結

大鵬薬品工業株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小林将之、以下「大鵬薬品」)は、大鵬薬品が日本とアジア(中国と一部の地域除く)で開発・販売権を有するArcus Biosciences(アーカス・バイオサイエンシズ、本社:米国カリフォルニア州、CEO:Terry Rosen、以下「Arcus社」)の開発品について、Arcus社およびGilead Sciences(ギリアド・サイエンシズ、本社:米国カリフォルニア州、Chairman & CEO:Daniel O’Day、以下「Gilead社」)と共同開発契約を締結したことをお知らせします。

今回の契約締結を受けて、大鵬薬品が2017年にArcus社と締結したオプション契約1に基づきオプション権を行使した抗TIGITプログラム(domvanalimabおよびAB308)2、抗PD-1プログラム(zimberelimab)3、アデノシン受容体阻害プログラム(etrumadenant)4について、既に契約締結済みのArcus社に加えてGilead社が実施するグローバル臨床試験への参加も可能になります。これにより、Arcus社から導入しているプログラムにおける国内での開発をより加速することが期待されます。

大鵬薬品は今後、非小細胞肺がんを対象としたSTAR-121試験および上部消化管がんを対象としたSTAR-221試験の2本の国際共同第Ⅲ相試験に2023年中の参加を予定しています。

本共同開発契約を通して、大鵬薬品はArcus社、Gilead社の両社と密に連携しながら、これらの治験薬および革新的な治療法の開発を共に推進いたします。

STAR-121試験について

STAR-121試験は、EGFR遺伝子変異陰性、ALK融合遺伝子陰性およびその他のドライバー遺伝子変異陰性の転移性非小細胞肺がんの一次治療を対象とした、①zimberelimab + domvanalimab +化学療法の併用療法、②ペムブロリズマブ+化学療法の併用療法、③zimberelimab +化学療法の併用療法の3群で構成される無作為化オープンラベル国際共同第Ⅲ相試験です。本試験における主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)です。

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05502237

STAR-121試験:A Randomized, Open-Label, Phase 3 Study to Evaluate Zimberelimab and Domvanalimab in Combination With Chemotherapy Versus Pembrolizumab With Chemotherapy for the First-Line Treatment of Patients With Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer With No Epidermal Growth Factor Receptor or Anaplastic Lymphoma Kinase Genomic Tumor Aberrations

STAR-221試験について

STAR-221試験は、未治療の切除不能局所進行もしくは転移性胃がん、胃食道接合部がん、食道腺がんを対象とした、①domvanalimab + zimberelimab +化学療法の併用療法、②ニボルマブ+化学療法の併用療法の2群で構成される無作為化オープンラベル国際共同第Ⅲ相試験です。主要評価項目は全生存期間(OS)です。

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05568095

STAR-221試験:A Randomized, Open-Label, Multicenter Phase 3 Trial of Domvanalimab, Zimberelimab, and Chemotherapy Versus Nivolumab and Chemotherapy in Participants With Previously Untreated Locally Advanced Unresectable or Metastatic Gastric, Gastroesophageal Junction, and Esophageal Adenocarcinoma

大鵬薬品とArcus社の契約について

2017年9月に大鵬薬品とArcus社が締結したオプション契約に基づき1、大鵬薬品は2018年にアデノシン受容体阻害プログラムのetrumadenant(開発コード:AB928)2、2019 年に抗PD-1プログラムのzimberelimab(開発コード:AB122)3、2021年に抗TIGITプログラムのdomvanalimab(開発コード:AB154)およびAB3084のオプション権を行使し、日本とアジア(中国と一部の地域除く)において独占的に開発・販売する権利を取得しました。なお、日本およびアジア以外の地域については、Gilead社が米国でのArcus社との共同販売権、および米国以外での独占的な開発・販売権を有しています。

Arcus社について

Arcus 社は、がん患者さんのための差別化された分子薬や併用療法の臨床開発を進めているグローバルなバイオ製薬企業です。世界中の業界パートナー、患者さん、医師とのパートナーシップのもと、Arcus 社は、明確な特徴を持つ生物学や経路に対するファーストもしくはベストインクラスの医薬品の開発を促進し、がん患者さんがより長く生きることが可能になるような、生物学に基づく新たな併用療法を研究しています。2015 年に設立された同社は、これまでに TIGIT、PD-1、アデノシン軸(CD73 とデュアル A2a/A2b)、そして直近では HIF-2alfa を標的とする新たな併用アプローチを含む、6つの治験薬を臨床試験へと進めています。Arcus 社の臨床および前臨床プログラムの詳細については、www.arcusbio.com をご覧ください。

Gilead社について

Gilead社は、すべての人びとにとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

大鵬薬品について

大鵬薬品は、大塚ホールディングス株式会社の事業会社で「私たちは人びとの健康を高め 満ち足りた笑顔あふれる 社会づくりに貢献します。」を企業理念とし、「がん」、「免疫・アレルギー」、「泌尿器」の3領域に注力する研究開発型のスペシャリティファーマです。特にがん領域においては、国内におけるリーディングカンパニーの一つとして知られており、グローバル化も積極的に推進しています。がん領域以外におきましても生活の質の向上に貢献できる製品を販売しています。また、コンシューマーヘルスケア事業でも生活者志向を第一に愛情豊かな暮らしを支える商品作りに注力しています。大鵬薬品の詳細については、https://www.taiho.co.jpをご参照ください。

1 大鵬薬品 Arcus Biosciences社とオプション契約を締結 (2017年9月20日 ニュースリリース)
https://www.taiho.co.jp/release/2017/20170920.html

2 大鵬薬品、Arcus Biosciences社の抗TIGITプログラムをアジアで独占的に開発・販売するオプション権を行使

(2021年11月30日 ニュースリリース)

https://www.taiho.co.jp/release/files/pdf/20211130.pdf

3 大鵬薬品、Arcus Biosciences社の抗PD-1抗体をアジアで独占的に開発・販売するオプション権を行使 

(2020年2月27日 ニュースリリース)
https://www.taiho.co.jp/release/2020/20200227.html

4 大鵬薬品 新たながん免疫療法の開発に参入(2018年7月13日 ニュースリリース)
https://www.taiho.co.jp/release/2018/20180713.html


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