乳がん

乳がんの早期発見のために

乳がんは50歳前後がピーク

年齢別にみた乳がんの罹患率は30歳代から増加し始め、50歳前後にピークを迎え、その後は次第に減少します。

  • 年齢階級別がん罹患率[乳房 2011年]
  • 年齢階級別死亡率[乳房 2014年]

資料:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター

乳がんのリスク要因

多くの乳がんの発生、増殖には、エストロゲンが重要な働きをしています。そのため、体内のエストロゲンレベルに影響を与えるようなものがリスク要因となります。

そのほかの確立したリスク要因

  • 初経年齢が早い
  • 閉経年齢が遅い
  • 出産歴がない
  • 初産年齢が遅い
  • 授乳歴がない
  • 閉経後の肥満
  • 一親等の乳がんの家族歴
  • 良性乳腺疾患の既往

飲酒習慣により、乳がんのリスクが高くなる可能性があるとされ、また閉経後の女性では運動による乳がんリスクの減少がほぼ確実とされています。

乳がんの症状

1 乳房のしこり

乳がんは5mmぐらいから1cmぐらいの大きさになると、自分で注意深く触るとわかることがあります。

2 乳房のえくぼなど皮膚の変化

乳がんが乳房の皮膚の近くに達すると、えくぼのようなくぼみができたり、皮膚が赤く腫れたりします。

3 乳房の近傍のリンパ節の腫れ

腕がむくんできたり、腕に向かう神経を圧迫して腕のしびれをきたしたりすることがあります。

乳がんの検診

乳がん検診の方法として、“効果がある”のは、「マンモグラフィ」またはそれと「視触診」の組み合わせです。視触診単独の検診は“効果なし”です。「乳房超音波検査」はまだ“効果不明”で研究中です。

マンモグラフィ

乳房X線撮影のことです。この検査では、医師の触診だけでは発見できないしこりを診断することができます。小さな、とくに石灰化のある乳がんの発見に適しています。このほか、乳房の良性疾患などが診断できます。検査の感度は、70%程度とされています。

乳房超音波検査

超音波により、乳房の病変を検査する方法です。乳房超音波検査は、医師の触診だけでは発見できない小さいしこりや、しこりの良性、悪性の診断に用いられています。乳腺の発達した人や、若年者の検査に適しています。

乳がん検診の精密検査

マンモグラフィと視触診の組み合わせによる検査では、約8%が「精密検査が必要」という判定を受けます。この場合、必ず精密検査を受けることが求められます。精密検査の方法は、マンモグラフィ、超音波、MRI、CT、穿刺吸引細胞診や針生検等があります。

40歳以上の女性は、2年に1回、乳がん検診を受けましょう。

次回の検診までに気になる症状が出た場合は医療機関を受診してください。
早期がんであれば、乳房の温存も可能です。
自己触診も大切ですが、発見できるものは、ある程度の大きさのあるしこりに限られていますので、やはり、しっかりと定期的に検診を受けることをお勧めします。
年1回のマンモグラフィ検査を実施している市町村もあります。

指導:国立研究開発法人国立がん研究センター 社会と健康研究センター検診研究部 部長 斎藤 博