肺がん

肺がんの早期発見のために

肺がんは年々増加している

年齢別にみた肺がんの罹患率、死亡率はともに40歳代後半から増加し始め、高齢になるほど高くなります。罹患率、死亡率ともに男性の方が女性より高く、女性の3倍から4倍にのぼります。

  • 年齢階級別がん罹患率[肺 2011年]
  • 年齢階級別死亡率[肺 2014年]

資料:国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター

肺がんのリスク要因は

肺がんのリスク因子はなんといっても喫煙です。喫煙歴のある40歳以上の人は注意が必要です。また、受動喫煙によって肺がんのリスクが高くなるという科学的根拠は十分あると評価され、受動喫煙がない人に対し、20~30%程度高くなると推計されています。そのほか、アスベスト、シリカ、砒素、クロム、コールタール、放射線、ディーゼル排ガスなどを扱う職業や一般環境での曝露、さらに、石炭ストーブの燃焼や不純物の混ざった植物油の高温調理により生じる煙などによる室内環境汚染も、肺がんのリスク要因とする根拠は十分とされています。

肺がんの一般的な症状

早期の肺がんでは症状のないことがふつうです。
がんが進行すると下記症状がでることがあります。

  • なかなか治りにくい咳
  • 呼吸時のゼーゼー音
  • 息切れ
  • 血痰
  • 声のかれ
  • 顔や首のむくみ

などの症状があります。

肺がんの検診

肺がんの生存率は低いといわれていますが、早期発見で手術を受けた患者さんの5年生存率は約70%です。
肺がんの検診方法として“効果がある”と判定されているのは「胸部X線検査」です。また、喫煙者には「喀痰細胞診」を組み合わせた方法があります。「喀痰細胞診」は痰を採取して、気管支等のがんから痰に混じって出てくるがん細胞の有無を、顕微鏡で観察する検査です。通常、「喀痰細胞診」は単独では行いません。喫煙者として検査対象となるのは、50歳以上で喫煙指数が600以上の方です※。
「胸部CT検査」は検診法として有望で、効果を明らかにするための研究が進行中です。
※喫煙指数:1日の喫煙本数×喫煙年数

肺がん検診の精密検査

胸部X線検査の約3%、喀痰細胞診の約1%が「精密検査が必要」という判定を受けます。この場合、必ず精密検査を受けることが求められます。
精密検査の方法は、CT、気管支鏡等があります。

胸部CT検査

病変が疑われた部位を、CTによって詳しく撮影します。

気管支鏡検査

気管支鏡を口から気管支に挿入して、病変が疑われた部位を直接観察します。必要に応じて細胞を採る検査をすることがあります。採取した細胞は、悪性かどうかを診断します。

早期発見が重要

肺がんは死亡する割合が高く、部位別がん死亡率でみると、男性で第1位、女性で第2位です。助かるためには早期発見と予防が重要です。男女ともに、40歳以上は年に1回、肺がん検診を受けましょう。また、検診も大事ですが、予防には禁煙が一番です。
最近は禁煙外来も増え、保険適用で禁煙プログラムが受けられます。積極的に活用しましょう。

指導:国立研究開発法人国立がん研究センター 社会と健康研究センター検診研究部 部長 斎藤 博